マイケル・チェーホフは、K.スタニスラフスキーの弟子であり、そのシステムをさらに発展させた教育家でもあります。スタニスラフスキー・システムが複雑で多岐にわたるものであるのと同様に、マイケル・チェーホフ・テクニックもまた、ツールや要素が非常に幅広く存在します。テクニックの全体像を示す図表からも分かるように、短期間で包括的に学ぶことは容易ではありません。
そこで国際的な団体であるマイケル・チェーホフ・ヨーロッパ(以下|MCE)は、演技を学ぶ上で必要な要素(役作り、空間、観客との関係など)を6つに整理し、それぞれを実践的に学べるプログラムを作りました。これらの要素を「モジュール」と呼びます。
※モジュールとは本来「構成要素」を意味し、それぞれが独立して機能しうる単位のことです。
【モジュールプログラムの内容】
Ⅰメイキング・コンタクト/生きたイメージ
身体 ― 想像力 ― 感情
Ⅱ 躍動する空間
雰囲気 ― 創造性のある自分 ― 芝居
Ⅲ 役作りⅠ
心理的身振り(サイコロジカル・ジェスチャー)
Ⅳ 役作りⅡ ―「私」とは〈他者〉である
役への変容
Ⅴ 観客との対話
与える ― 受け取る ― 分かち合う
Ⅵ パフォーマンスの構造
即興 ― 構成 ― 作品の様式
東京ではモジュールⅥ「パフォーマンスの構造|即興-構成-作品の様式」をテーマに行います。
5日間に及ぶこのWSは、役者は演技だけでなく、芝居における構成要素を理解してより自由に演じられるでしょう。最終日にはMCEから修了書が送られます。
芸術において「即興」は、創造プロセスの中核にあります。それは、リスクを取ろうとする好奇心、未知で予測不能なものに心を開く姿勢、そしてテキスト、動き、音楽、空間といった与えられた素材を形作る為の技術を含んでいます。
演劇作品、振付、あるいは音楽作品を創作し、稽古していくためには、リズムとテンポに対する強い感覚が必要です。そこで重要な役割を果たすのが、構成(コンポジション)です。
「自然と芸術の中には、形を構造化し、均衡をもたらす数学的な法則と原理が存在する。」マラ・パワーズ
この構成感覚は輪郭を生み出し、アイデア、対話、動き、形、色彩の表現に、より深い意味と可視的な形を与えます。
「様式感覚をもって取り組む俳優は、戯曲・脚本・シーンの持つ固有の性質を捉えようとする。」モリエールの喜劇は、ギリシャ悲劇・ブレヒトの戯曲・「リアリスティック」な対話とは異なるアプローチを要求します。
このモジュールでは、マスクワーク、クラウニング、フィジカルシアター、そして古典文学といった、さまざまなジャンルに出会い、実践していきます。
【モジュールⅥで使用するツール・考え】
【主催者】
このモジュールでは、創作の醍醐味を味わえます。俳優の仕事は、単に「役を演じる」ことだけではありません。俳優も創作者の一人として作品の「全体」を理解し貢献できる存在です。創作者として関わることで俳優は演技を別の角度で捉えることができます。
例えば時間の流れにおいて、芝居的な「序破急」や「起承転結」など作品にダイナミズムをもたらす流れがあります。俳優はその「全体」を理解しつつ、「生きた人」として存在出来るはずです。
演技のスタイルにおいても、例えば「喜劇」を俳優はどのようにアプローチすればよいのでしょうか。漠然と捉え、ただ滑稽に振る舞って笑わせようとすると、観客だけでなく俳優自身も興醒めしてしまいます。
そこには的確なアプローチが存在します。それを理解すれば悲劇的な作品の中にも「喜劇的な要素」を取り入れることができ、作品により深く貢献できる俳優になることができます。
こうした視点を身につけることで、作品が意図する世界観をより的確に、より豊かに表現出来るようになります。俳優は創作者として作品に関わる術を学ぶことができます。
本モジュールは2017年より継続してきた、モジュールプログラムWSの総仕上げとも言える実践的な内容です。
みなさまの受講をお待ちしております。
※下記の写真は、ウルリッヒ・マイヤー=ホシュ氏による2024年大阪WSの様子です。
※日本での過去のWSの写真はこちらから
【応募資格】
【定員】
22名
※定員の場合は審査させていただきます。
【日時】
5月13・14・15・16・17日11:00~17:00
※全5日間
※開場
10:30
※昼食休憩あり
【会場】
曙橋ケイコバ B1スタジオC
東京都新宿区片町3-3
マンション壁装館 地下1階 ケイコバB1
【料金】
【申し込み方法】
こちらのグーグルフォームより応募ください。